日本語教育・授業運営

日本語の敬語をどう教える?尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと練習方法

日本語の敬語をどう教える?尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと練習方法

敬語は単語を覚えるだけでは使えない

日本語の敬語を学習している学生の中には、敬語表現を覚えているのに、会話で正しく使えない人がいます。

例えば、次の2つの表現です。

  • ご覧になる
  • 拝見する

どちらも「見る」に関係する敬語ですが、使う場面が異なります。

「ご覧になる」は尊敬語で、相手や話題の人物の行動を高めて表します。

「拝見する」は謙譲語で、自分側の行動を低めて相手に敬意を示します。

こうした違いを理解するためには、単語の暗記だけでなく、誰の行動なのかを考える練習が必要です。

尊敬語は相手側の行動を高める

尊敬語は、敬意を示す対象の行動や状態を高めて表します。

例えば、次のような表現があります。

  • 先生がおっしゃいました。
  • 部長がいらっしゃいました。
  • お客様が資料をご覧になりました。

尊敬語を使う場合は、誰の行動を述べているのかが重要です。

例えば、「部長が資料をご覧になりました」は自然な敬語表現です。

しかし、自分の行動について「私は資料をご覧になりました」と述べるのは、通常の敬語の使い方として不適切です。

学生には、動作の主体を確認する習慣をつけさせましょう。

謙譲語は自分側の行動を低めて表す

謙譲語は、自分側の行動を低めることによって、相手側に敬意を示す表現です。

例えば、次のような文です。

  • 私が資料を拝見しました。
  • 明日、先生の研究室に伺います。
  • 私から詳しい内容をご説明します。

謙譲語を使う場合も、誰が行動するのかを確認することが重要です。

ただし、実際の敬語には複数の分類や用法があり、すべてを単純な上下関係だけで説明できるわけではありません。

初級から中級の授業では、まず典型的な場面での使い方を理解させるとよいでしょう。

丁寧語は聞き手に対する丁寧さを表す

丁寧語の代表的な表現は「です」「ます」です。

例えば、次のような文です。

  • 明日は授業があります。
  • この本は日本語の教科書です。
  • 私は昨日、図書館へ行きました。

丁寧語は、尊敬語や謙譲語とは異なり、動作の主体を高めたり低めたりするものではありません。

聞き手に対する丁寧な表現として使用します。

授業では、普通体と丁寧体を比較することで理解を深められます。

敬語の問題では場面を明確にする

敬語の4択問題を作るときは、単に空欄を設けるだけでなく、誰が誰に話しているのかを明確にすることが大切です。

例えば、次のような問題です。

問題1

社員がお客様に、社長の予定について説明しています。

「社長は午後3時にこちらへ( )。」

  1. 参ります
  2. 伺います
  3. いらっしゃいます
  4. 拝見します

正解:3. いらっしゃいます

解説:
ここでは、敬意を示す対象である社長の行動を尊敬語で表すという学習上の設定です。

ただし、実際の社外コミュニケーションでは、自社の社長の行動を社外の相手に説明するとき、通常は「参ります」などを使用します。

そのため、この問題は社内で上司について述べる場面に変更したほうが適切です。

問題1(修正版)

社員が新入社員に、社長の予定を説明しています。

「社長は午後3時にこちらへ( )。」

  1. 伺います
  2. 拝見します
  3. いらっしゃいます
  4. 申します

正解:3. いらっしゃいます

解説:
社内で社長の行動について述べる場面です。尊敬語の「いらっしゃる」が適切です。

問題2

社員が取引先の担当者に話しています。

「先ほど、送っていただいた資料を( )。」

  1. ご覧になりました
  2. 拝見しました
  3. おっしゃいました
  4. いらっしゃいました

正解:2. 拝見しました

解説:
自分側が資料を見る行動を、謙譲語で表しています。

敬語の宿題を作るときのポイント

敬語問題では、会話の相手や場面が不明確だと、複数の表現が成立してしまうことがあります。

例えば、社内の上司について話す場合と、取引先に自社の上司について話す場合では、敬語の使い方が変わります。

そのため、問題を作成する際には、次の点を確認しましょう。

  • 誰が話しているのか
  • 誰に話しているのか
  • 誰の行動について述べているのか
  • 社内と社外のどちらの場面か
  • 正解以外の選択肢も成立しないか

敬語の問題では、文法だけでなく場面設定の正確さも重要です。

NHWで敬語の復習問題を作る

NHWでは、先生が選択式問題を作成できます。

例えば、「ビジネス日本語・敬語の使い分け」という宿題セットを作り、会話場面を示した問題を登録できます。

最初は尊敬語と謙譲語を区別する基本問題を中心にし、慣れてきたら社内外の場面を比較する問題へ進む方法があります。

学生の回答を確認し、間違いが多かった場面を授業で取り上げましょう。

まとめ:敬語は誰の行動かを確認する

敬語の学習では、表現そのものを覚えることに加え、話し手・聞き手・動作の主体の関係を理解する必要があります。

尊敬語、謙譲語、丁寧語を区別し、具体的な会話場面で練習しましょう。

宿題では場面を明確にし、正解の理由を説明できる問題を作ることが重要です。

NHW公式サイト:
https://nihongohomework.com

NHWで日本語の宿題配布をもっと簡単に

クラス登録、宿題作成、学生への配布、提出状況の確認まで、NHWでまとめて管理できます。

無料で先生登録 NHWの使い方を見る